2009年12月27日

カミラ・レックバリ著 氷姫・エリカ&パトリック事件簿

最近新書が続いていたため、ミステリを購入。

氷姫―エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

●感想
海辺の田舎町フィエルバッカの古い洋館の風呂場で
凍った遺体が発見された。
発見された遺体の身元は、アレクサンドラ(アレクス)。
地元でも噂される程の美貌の持ち主である。
不運にも第一発見者より声をかけられ、
現場に駆けつけたのは、アレクスの親友だったエリカ。
思い出すアレクスとの過去。
どうして疎遠になったのかと考えながら
エリカを中心に事件を追っていく。

著者はスウェーデンの新人作家カミラ・レックバリ。
エコノミストとして働いた後に作家に転身。
2005年にSKTF賞「今年の作家」賞、2006年に国民文学賞を受賞し、
エリカ&パトリック事件簿シリーズは4作で400万部を超える。
本著は同シリーズの第1作で、ドラマ化、映画化された。
(以下、ネタバレあり)
アレクスの死の様子を伝えるため、
エリカはアレクスの両親の元へと向かう。
そこでアレクスの死をそのままに受け入れられない両親から
アレクスに関する追悼記事を書いてくれるよう頼まれる。
断れ切れず引き受けたエリカは事件の概要、
そして疎遠になってからのアレクスの在り方を知るべく、
取材を進めていく。
また、エリカには妹アンナとその夫ルーカスが持ち込んだ
自宅の売却話が持ち込まれる。
自分の仕事、事件の取材、妹夫婦の問題と
進めなければならない事柄が山積みにされていた。

一方、フィエルバッカ警察では、
事件の解決に向け、メルバリ署長は気炎を上げていた。
田舎の警察署で事件を解決できれば、
自分の中央への返り咲きも可能かもしれない。
そこに監察医からの連絡が入る。
殺人事件。しかも、妊娠もしていた。
殺人事件を解決したら中央への返り咲きは間違いない。
そう踏んだメルバリは署員を集め、捜査の指揮をする。
捜査員の一人パトリックは、関係者に対する事情聴取に参加した。
そこには幼馴染で昔から心を寄せていたエリカの姿があった。
パトリックは久しぶりの再会に心躍らせ、エリカを夕食に誘うこととする。

アレクスはフィエルバッカに住んではいなかった。
週末だけフィエルバッカに帰ってきていた理由が何なのか、
それがお腹の子供の理由と重なるのか?
そして、なぜ殺害されなければならなかったのか?


事件の捜査と共にパトリック−エリカの関係を軸に
話が進んでいく本著は
今後のシリーズ作の導入という位置づけであろうと感じられる。
作品の特徴として、事件解決までの道のりにおいて、
エリカ、パトリックそれぞれが調べたこと、気づいたことが
お互いの不足部分を補い合うという形式をとっており、
2人の関係の進展と共にワクワクさせる要素となっている。
他の登場人物の使い方も意外性がありながら巧みであり、
今後の作品も読んでみようと感じさせる。

訳者あとがきに、カミラ・レックバリが参考にした作家があり、
自分が読んだ本の中では同国の先輩作家オーサ・ラーションが挙げられていた。
彼女の作品と比べると宗教観が薄く、
読みやすさという観点では、こちらの方が上である。

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