2009年06月08日

コーマック・マッカーシー著 The Road

ピューリッツァー賞作家のマイケル・シェイボンユダヤ警官同盟がとても満足いく作品だったのと、最近クライムものが多いこともあって視点を変えてみた。

ザ・ロード

●感想
何が起こったのかはわからない。ただ、何かが起こった事だけは知っている。世界は灰に包まれた。そして、息子が傍にいる。

何もない。本当に何もない。あるのは生に対する意志と息子を守ろうとする愛情、そして、息子が善き者として成長してくれることを望む親としての誇り、使命のみである。

2人は南へ向けて歩き始めた。

2007年のピューリッツァー賞フィクション部門で戴冠に輝いた、
アメリカの巨匠コーマック・マッカーシーによる感動大作。
(以下、ネタばれ有り)
本作は、父親と息子が南へ向かうロードノヴェルである。ただ、何のために向かっているかは定かではない。冬の寒さを逃れるため、はたまた希望を持ち続けるため、とにかく2人に残された道は歩く以外ないように思える。外は地獄絵図のような光景を用意していた。カニバリズムが蔓延り、シヴィラゼーションは崩壊していた。そんな中を親子2人で歩き続ける。ただひたすらに、生に執着しながら。

母親は生に執着できなかった。当たり前のようにあったものがなくなった時から、徐々に死に向かっていたのかもしれない。もしくは、息子を産んだことで絶望の大きさを感じ取ったのかもしれない。ただ父親と異なるのは、生への思いだ。

衣食住に不自由しながら、2人は南に向かう。道行く中で出会う少年を助けることはできなかった。老人も連れていくことはできない。ただ、息子の気持ちは無垢な優しさに溢れている。

南に向かいながらも、父親の体は限界に近づいていた。そして息子はそれに気付いていた。父への思いやり、息子への思いやり。深い愛情に包まれながら、ようやく2人は海へと辿り着いた。


読み終わった後、1日中作品のことが頭から離れなかった。本作は映画化が決定しており、アメリカでは今秋公開予定。監督ジョン・ヒルコート、キャストはヴィゴ・モーテンセン(父親)、コディ・スミット・マクフィー(息子)、シャーリーズ・セロン(妻)、ロバート・デュバル、ガイ・ピアーズ。ちょっと調べてみたら、妻が結構回想シーンで出てくるらしい。
YouTubeにTrailerあり。
興味のある人は是非。

posted by betterman at 20:08 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説(その他)・エッセイ等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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コーマック・マッカーシー 『ザ・ロード』
Excerpt: [[attached(1,right)]]【ザ・ロード】 空には暗雲がたれこめ気温は下がり続ける。目前には、 廃墟と降り積もる灰に覆われた世界が……。父と子は ならず者から逃れ、必死に南への..
Weblog: 四畳半読書猫系
Tracked: 2009-06-08 23:27
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